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令和元年台風19号の堤防決壊箇所一覧を地図にする

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国土交通省 令和元年台風第19号による被害状況等についてのページから取得できる堤防決壊箇所一覧PDF(11 月3 日 8:00 時点)のデータを地図上で図示しました。図中黒丸が堤防決壊箇所です。

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令和元年台風19号の堤防決壊箇所一覧

「地球地図日本データ」(国土地理院)をもとにQGISにて筆者作成(以下同じ)

作り方は、まず最初に堤防決壊箇所一覧PDFから河川と住所を抜き出します。結果とやり方は、「国土交通省の令和元年台風19号による堤防決壊箇所一覧PDFからのデータ抜き出し」に載せておきました。

抜き出した住所一覧をGeocodingを利用させていただき、経度と緯度を取得します。サーバーに負荷がかからないように、一回につき10秒程度待機時間を入れると、データが118個あるので20分ほどかかります。

次に国土地理院 地球地図日本から第1.1版ラスタの標高データ、第2.2版ベクタの全レイヤをダウンロードします。

以上で準備が整ったのでQGISで表示させます。

標高データと、全レイヤのベクタデータのうち「riverl_jpn.shp」を読み込ませてスタイルを川っぽくして表示させると下記のようになります。水の流れが高い所から低い所へ流れている様子が見て取れます。海の色は薄く変更しています。

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地球地図日本の標高と河川データ

続いてファイルメニューの「レイヤ」→「レイヤの追加」から「デリミティッドテキストレイヤの追加」を選び、Geocodingで取得した住所と緯度経度のデータを保存したテキストファイルを指定します。

そして、Xフィールドに経度、Yフィールドに経度を指定して読み込ませると、以下のように堤防決壊箇所が表示されました。

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堤防決壊箇所一覧

改めて図示してみると、今回の被害が広範囲にわたっていることが分かります。また、ざっと見た感じ、どちらかというと上流側で決壊しているようにも感じます。

宮城県のあたりを拡大してみると、決壊箇所の図示が河川から離れているので、住所からうまく緯度経度を検索できなかったのかと思いましたが、国土数値情報の河川データ(宮城県)をダウンロードして表示させると、より詳細な河川データが表示され、河川の付近に決壊箇所が表示されていることが分かります。

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地球地図日本と国土数値情報の河川データ比較

「地球地図日本データ」(国土地理院)、「国土交通省国土政策局「国土数値情報(河川データ(宮城県))」をもとにQGISにて筆者が編集・加工」

それでも、住所からの緯度経度の変換は正確な位置を示しきれない部分があると思うので、参考程度の精度になるかと思います。

決壊箇所のデータをQGISでKML保存してGoogleマイマップに載せたデータは以下の通りです。この他にも地理院地図にもKMLを読み込ませてみたり、国土数値情報の浸水想定区域を重ねたり、様々に活用できそうです。